春は不思議な季節です。
寒く暗い冬が終わって花々が一斉に咲き出すうきうきするような明るさと、影に入ると冷やっとするような冷たさが残っている…。
卒業や引っ越しで、新しい生活が始まる期待と不安が入り交じる気持ちが多いからなのか?
新しい門出を送り出す側としては、がんばって欲しい気持ちと、取り残されたような複雑な気持ちで、思わず自分の立つ位置を確認したくなる…そんな気分にさせられることが多いからでしょうか?
春の写生大会で空の色を淡いグレーに塗って、美術の先生に大絶賛されてびっくりしたことがありました。
なんでほめられたのかわからずに周りを見ると友達はみんな空を真っ青に塗っていたのです…。
…本当の春の空は、どこまでもどこまでも淡い。
まるで、定まりきらない気持ちのように…。
現在開催中の
光延由香利さんの作品にはそんな「晴れ晴れとした不安」が感じられる作品が多くあります。
じっと作品に見入る方が多いのは、自分の心とも対話をされているのでしょうか?
春に浮かれる人のなかでぽっかり寂しい気持ちになったなら、ぜひ
光延さんの作品に会いに来てください。
※写真はすべて作品の一部分です。