ご好評をいただいています
関野意匠室+絡繰堂 展覧会〜木のからくりおもちゃ〜、明日4月25日(日)までですよ!
関野さん、木工作家のなかでも少し変わった存在かも。
何がって?
まずはこの
からくり。複雑な動きをみせる「からくり」。これを作り続けるから木工作家じゃなくて「絡繰師」なんだそうです。
そして、もう一つの関野さんの顔は工房とお住まいのある西粟倉村の森からやって来た
森の使者というもの。
岡山の県境近くの森に囲まれた村、西粟倉村。
スケッチ旅行に行ったことのある村ですが、どこを切り取っても絵になる美しいところでした。
その西粟倉村の
百年の森構想に賛同し、ここで制作されることを決められたそうです。
森林を大きく育てて行く過程で出る間伐材(間引いた木の材木のこと。割り箸なんかになるようです)を使って作った
木のからくりおもちゃたちは、蝶だったり熊だったり…。
このモチーフも、西粟倉村に共に生きる動物たちなんだそう。

「日が落ちると、そこここから鹿の鳴き声が聞こえるんですよ。
鹿の親子と遭遇したこともあるし。」
「…夜には森に出歩かないんです。熊やイノシシに出会うことがあるから。
朝になると動物たちは山に寝に帰っていくから、日が昇っている間は人間の時間。
日が落ちるとけものの時間(笑)。2つの時間が流れてる(笑)」
えー!そんなところ、岡山にあるんだ!とびっくり。
どうも県南の森とは無縁のところで日々暮らしていると、そういうところは世界遺産の森か、宮崎駿のアニメの中にしか存在しない気持ちになっていましたが、灯台元暗し。
意外にも身近にあった!
森が立派に育って材木が採れるようになるには、木を植えてから百年くらいの長い時間が必要で、植える人は自分の生きている間にその木が大きくなるのを見届けることはできないのだ、と小学生の頃に聞かされて「どういう気持ちで植えるんだろう?」と思ったことがありますが、
それはきっと、次の、またその次の世代への信頼の証なのでしょう。
西粟倉村の森は今、五十年。
先達が植え育てた森を、この先の五十年育てていこう!と村をあげて決意したのが
百年の森構想。
…この決意をした人たちは百年目の森を見ることはないかもしれない…。
そんなことに思いを馳せながら、絡繰りを動かし長い長い時を感じてみてください。
そして、西粟倉村
百年の森構想、じつは私たちも参加することのできる魅力的な企画がいっぱい。
なんと東京・大阪方面の賛同者が圧倒的に多いとのこと。
こんなナチュラルで楽しい企画の数々、地元の人が知らないなんてもったいない!!
いろいろ関野さんに質問してみてください。きっと、熱く語ってくれますよ。

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