西洋絵画には2つの言い方があるのです。
painting…筆で色を塗り込めて対象を描いていく「絵画」
drawing…線を走らせて対象を捉えていく「絵画」
そう、それは日本画における「屏風絵やふすま絵」と「水墨画」とも通じるものがありますね。

西洋絵画では、
drawingであるスケッチやクロッキーは
paintingである油彩画の下書きととらえらえることが多いんですが、わたしはどちらかというと全く別の魅力を持った描き方のように考えています。
日本画における「屏風絵やふすま絵」と「水墨画」のように。
drawingの魅力、それはなんといっても、作家(描き手)の気分や息づかいが、画面に現れているところ。
対象を素早くとらえようと走らせたスピード感あふれる線は、印象深かったものは力強く、そうでは無いものは軽やかに省略されていて、その時の作家(描き手)の素直な気持ちがダイレクトに伝わってくるんです。
じっくり時間をかけて仕上げられた油彩もいいけど、その時の気持ちが駆け引き無しに伝わってくる
drawingが、わたしは大好きなのです。
「きっと、ここから描き始めたんだよな、次はこれ…。」なんて楽しみ方も…。
そうそう、このドローイング、作家(描き手)の気持ちをダイレクトに感じたいと思ったら、「生」を見なきゃいけません!
油彩以上にライブ感が大切なドローイング、写真じゃその魅力は半減。
最近はパソコンのソフトでもドローイング風に描けるツールもあったりしますが、やっぱり人の手で引かれた線は全然違いますよ!
だって、感激や、迷いやためらいはパソコンには無いものだもの。
寒くて手がかじかんじゃった…なんていう微妙に震えた線が、その作品の決定的な1本になったりするのがドローイングの醍醐味!
ぜひ、「本物の線」を見にきてくださいね!