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祝!オスカー受賞【
英国王のスピーチ】!!
ゼット家では、こうなることを予想してその後の混雑も回避して、公開初日に見て来ました。
国王のスピーチを矯正することのストーリーの奥底に流れるこの映画の本当に言いたいこと。
どこぞの政治家たちが官僚の原稿を丸読みするように、魂の入っていない言葉というものは、どんなに饒舌にしゃべろうとも、絵空事なんです。
それが現代の社会でいかに氾濫していることか。
もともと彼の手元には、自分の考えを綴った自らが作成した原稿があります。
欠点や弱みや幼い頃受けたこころの傷みがあればこそ、国民の気持ちをくみ取りそれに応えようとする誠実な思いがしたためられているのです。
それを発表する前に、官僚のチェックは受けてはいますが、自分の言葉であれば、原稿を見ながら読むのも納得できます。
一番の悩みの種、吃音さえ克服できれば、その話し方がどんなに下手であっても、だから聴衆のこころを揺さぶって行くのです。
ハートが問題なんです!
私自身が年齢を重ねるとともに、人前で話をする機会が避けて通れないないことも多く、話下手なだけにこれまで失敗したことも数知れず、この映画を見ることの使命感みたいなものを感じていました。
全てが本物で圧倒的歴史の深みを見せて来る迫力ある舞台の中で国王のスピーチの緊張感は、見る者を完全に同化させていくようで、手に汗がにじむほどに喉がカラカラに乾くほどに力が入りました。
そして、それだけに演説後の清々しい風が吹くようなラストシーンは、これまでの映画の中で味わったことのない感覚でした。
今回アカデミー主演男優賞の「コリン・ファース」は、英国映画のロマコメの助演ですごくいい味を出していて、お気に入りの俳優さんだったので、この受賞は本当にうれしいです。
ところで、インターネット上で実際のキングジョージⅥの開戦前夜スピーチがアップされているので、参考までに、観賞後にこちらにも
アクセスしてみてはいかがでしょうか。
by マスター