今日は桃の節句。
ちょうど5年前、義理の母親がお店の朝支度で一番いそがしいときにやって来て、店内の全テーブルに勝手に何か小さな置物を飾って風のように帰っていきました。
何をやっているのか、こちらもそのときはよく見ていなかったのですが、本人が帰ったあと、落ち着いたところであらためて見渡すと、それは端切れの布を使った手作りのひな人形だったんですね。
丁度、
本人がキルト作りに熱中している頃で、ゼットにおひなさんを飾ってあげたいという思いでひたすらいっぱい作ってくれたんでしょう。
…それがすごい和のテイストで、ゼットの雰囲気には合わないんだけどなあ…と、苦笑いしてしまったのは、今となっては良い思い出です。
肺がんの手術を終えて退院して、このときまでは経過も良好の頃でした。
この1年後に他界したので、最後の来店となりました。
そのときはありがた迷惑に思えた、素朴なおひなさんでしたが、なぜか毎年この時期になると箱から出してお店の隅に飾って義母のことを思い出したりしています。
女子が毎年飾るひな人形というものにも、きっとそれぞれの思いや歴史がいっぱい詰まっているんでしょうね。
by マスター