時々、なんでもない風景がいきなり思い出される時ってないですか?
何年も音信不通だった友達のことを考えたらその子の顔より好きだったドーナツショップの色あせた看板が浮かんだり、おばあちゃんの顔より、白い割烹着端っこの糊の効いたレースを思い出したり…。
なんでこんなこと覚えてんだろ?
という気持ちになるけれど妙に鮮明で、でも普段は心の底に溜まってて、
なにかの拍子にひょこん、と唐突に現れる…。
あんまり、唐突なので「これはなにかのお告げかも?」と占いにいってみたり…。
神田ゆみこさんの作品の印象はその時の気持ちにすごく似てると思うんです。
とくに今回それを感じたのはこの作品。

窓辺に何気なく掛かるYシャツの白さの発光するような輝きと透ける影。
男物のYシャツの主は、”私”なのか”私の夫”なのか、もしくは”出て行った元カレ”なのか…。空想がどんどん広がっていくのです。
…いったいなにがあった?
「写真じゃないか?」とよく言われるんですが、違うんですよ。
同じ光景を撮った写真じゃだめなんです。この感覚。
現実にあったような、でも夢だったかもしれないような、リアルと思い出の間のような感覚。
うまく説明できませんが、この何とも言えない感覚は”描く”ということからうまれるんじゃないか、と思うんです。
だから、神田さんは
本の装丁や挿絵を数多く手がけられているのでしょう。
こんな光の午後にゆっくり向き合いたい作品です。
神田ゆみこ作品展〜輝き〜 2014年11月19日(水)〜11月30日(日)
11:00~19:00 最終日は18:00まで
※11/24(月)、25(火)は定休日
※在廊日:11/22(土)、23(日)、29(土)、30(日)

応援のクリック1票、よろしくお願いします!

にほんブログ村もいっしょにクリックお願いします。