いにしえには「文字」と「絵」は同じものだったんだ…象形文字はそうですよね。
中村文美さんの作品はそんなことをあらためて思い起こさせてくれるものが多いんです。
この
「水〜SETO」と題された扇子もそう。
波打つ扇子の面にダイナミックに流れ、ころがるように渦巻く水。
まさにゆったりと波打つ海原のようです。
ちらりちらりとのぞく青は水底の景色か、島々か…。

今回の作品展「水の音(ね)」は瀬戸内海の物語、「平家物語」からとられた題材を多く書かれています。
「平家物語」で扇とくれば、那須与一。
与一の射抜いた扇の的には、どんな柄が描かれていたのか?
そういえば、平家一門は”波の下の都”に沈んでいったんでしたっけ…。
一面の扇からさまざまな思いが広がっていくのです。

【中村文美作品展〜水の音(ね)〜ver.Z】
2015.1/21(水)〜2/1(日) 11:00〜19:00 (最終日は18:00まで)
1/26(月)、1/27(火)は定休日 在廊日:1/21(水)、25(日)、31(土)、2/1(日)