「科学をテーマに専門家と気軽に会話を楽しむサイエンスカフェ」・・・今回も科学という学問の世界を超えた雄大なスケールの話で盛り上がりました。
今、私の手元には 武井 伸吾 先生 の写真集「星の降る場所」(ピエブックス)が置かれています。
何度も何度も頁をめくっているのに、見あきることがありません。
特に「11月 富士山五合目 昇る月とオリオン座」は、圧巻です。
悠久の星の世界と人間の営みの刹那的な対比に雲海の動きが被さっていく作品。
これは、人間の目では捉えることができない、カメラだけが代筆できる武井先生の「心象風景」といってよいと思います。
星空に挑戦することが「ライフワーク」と言われる武井先生・・・星空と対話しながら自己をピュアに磨いているからこそ構築される世界観は、先生の作品からストレートに伝わって来るはずですよ!
この写真集、カフェゼットにも置いておきますので、見てください。
講演は、ちょうどアラスカの撮影から帰国されたばかりで、その本邦初公開のスライドを映しながら、マイナス20度の極寒世界で夜通し撮影したエピソードなど、未知なる世界の話がどんどん出てきました。
なんと午後3時から午前11時までの20時間が、彼の地では夜。
星景写真家としては、夜寝るなんてもったいないことはできないんですね。
寝不足がたたって、帰国後も風邪をひかれているご様子でしたが、あの「静謐で幻想的な」作品は、人間として体力ぎりぎりのところで成り立っている緊張感があればこそ、というのがわかりました。
一級建築士という肩書きもお持ちの武井先生、才能のある方はひとつのところだけに留まらないんですね。
最後になりましたが「倉敷科学センター」さん、昨年の「オーロラのお話し」に続いてのロマンあふれる企画での開催ありがとうございました。
来年もまた「サイエンスカフェ」して欲しい!参加者の多くが望んでいるようですよ!!
ヨロシクお願いします。
by マスター