ゼットでの初めての「書」の作品展、
中村文美書作展〜めでたづくし〜。
「こんなに楽しい書道の世界があったんですね!」
「書って意外とオシャレなんですね。」といった感想もたくさんいただきまして、嬉しい限りなんですがいよいよ、明日17日までとなってしまいました〜。
まだの方、ぜひこの機会に新しい世界をのぞいて見てください。
「書」をしたためる、ということ。
それはまず、墨を摺りながら書く気持ちを高め、失敗の許されない潔い気持ちで紙に向かう…。
思い立ったら、いきなりキーを打ち、わからない漢字は変換して探し出し、何度でも文字を打ち変えて、すぐにメールを送信する、そんな「今」に生きる私達とはまったく違う時の流れが、「書」にはあるような気がします。
一度だけ、巻き紙に墨で書かれた手紙をもらったことがあります。
大好きだった小学校の時の担任の先生で、卒業後もずっと年賀状のやりとりをかわし時折、お話する機会があった先生でした。
結婚する時に、お祝いよ、と言ってくださったのは自身で彫られた烏城彫りのお盆と、巻紙のお手紙。
手紙は優しい和紙の手触りと墨のよい香りがして、なぜか急に先生のふっくらしていつも温かい手を思い出しました。
ゆっくりゆっくり墨をすりながら、ずっと昔に教えた自分のことを思ってくださったのだ、と思うととても嬉しくて今でもその手紙は宝物になっています。
手書きの手紙には温かさがあるとよく言うけれど、「書」にはもっと強く、深く、潔く、気持ちを動かすものがあるように思います。
以下、マスターよりひとこと…
上の黒壁の写真は、見に来られなかった方に写真だけでもと思い掲載してみました。
日が山から昇る意味の「旦」という紅白の掛軸の稜線の角度にあわせて、末広がりの扇子をセンスよく山の形に展示したものです。本当にタイトルの通りの「めでたづくし」で、これ以上の縁起のよいものはないのではといったかんじです。
実際に見に来てくれた方は、その実際の迫力に感嘆されつつ、お正月気分を満喫されていらっしゃいました。
文美さん、今回のすてきな展示、ありがとうございました。